
糖尿病は、アルツハイマー型認知症や血管性認知症の危険因子であることを以前にご紹介しました。(医療あれこれ 2012年3月18日)最近、糖尿病が危険因子となってアルツハイマー型認知症を合併したと診断されている例や、同じく糖尿病が原因の脳血管性認知症とされているもののなかに、アルツハイマーや血管性認知症とは異なる「糖尿病性認知症」と呼ぶべき病態のあることが明らかとなってきました。血管性認知症では、脳血流検査で大脳のある部分に血流障害が証明されますし、アルツハイマーではアミロイドという異常タンパクが集積されているのですが、これらの変化が全く認められない糖尿病に合併した認知症なのです。これも以前に老化物質としての糖化反応最終産物(AGE)についてご紹介しましたが(医療あれこれ2013年11月3日)、この糖尿病性認知症では、AGEの一つであるカルボキシルメチルリジン(CML)の血中濃度が上昇している特徴があります。
この糖尿病性認知症の臨床的特徴は、高齢の患者さんで、ヘモグロビンA1cが特に高値である、インスリン治療を受けている、糖尿病を発症してからの期間が長い、進行がゆるやかである、などの特徴があります。このため治療としては、食後の高血糖を下げ、血糖値の日内変動を抑制し、治療の効きすぎによる低血糖を避けることなどが求められます。
今後されに検討が必要ですが、より厳密な糖尿病コントロールを行い、そのために必要な新薬を含めた適切な使用が重要になってくると思われます。
文献:羽生春夫他:日本内科学会誌、2014;
103: 1831-8.















そこでスマートフォンやパソコンなどの使用は
肺炎球菌は
ところで、この11月14日はインスリンを発見したフレデリック・バンティング(1891~1941、右の写真)の生まれた日です。インスリン発見の経緯については以前「医療の歴史(26)」でご紹介していますので、次のアドレスをクリックしてご覧下さい。
よって東大寺に奉納されました。それが校倉造りで有名な正倉院の御物となって今日に伝わっていますが、服飾、調度品、楽器、武具などがあり、唐ばかりでなく、遠くシルクロードを経た西アジアや南アジア渡来の品々が含まれています。御物それぞれの由来が明確にされており、管理が厳重で保存状態がよいことから、校倉造りという建築物そのものと共に、国際的な美術品として知られています。





























胃ガンはかつて日本人に多い悪性腫瘍で、死亡率も高率でした。近年、健診などがきっかけで早期ガンのうちに発見されることが多くなり、治療成績もたいへん良くなっています。さらにピロリ菌検査をして、もし陽性なら抗生物質で除菌することが胃ガン予防になると考えられます。右の図は日本ヘリコバクター学会が発行している冊子から引用したものですが、これからも明らかなようにピロリ菌を除去することが胃ガンの発生を予防することにつながります。




























アスピリン(薬品名はアセチルサリチル酸)という薬があります。昔から鎮痛薬や解熱薬として用いられてきましたが、服用している人のなかに出血症状が出現することがありました。その後よく調べてみると、アスピリンには止血に必要な血液細胞である血小板にあるシクロオキシゲナーゼ(
右の図のようにカルシトニンと副甲状腺ホルモンはカルシウムの動きに対してお互いに拮抗的に働いているのです。骨からすると、カルシトニンのほうがカルシウムを増やしてくれて、骨を強くしてくれるので強力な味方になります。骨の量が減ってしまう「骨粗鬆症」という病気がありますが、この治療薬としてカルシトニンをお薬にした「カルシトニン製剤」が作られています。
「ペスト」は、ペスト菌が原因でおこる病気です。現在の日本では感染症法で最も危険な一類感染症に分類され、感染者を隔離して治療することと定められています。もともとはネズミに流行するものですが、感染したネズミの血を吸ったノミに刺された人に感染が広がります。かつて感染者は皮膚が黒くなり死に至ったことから「黒死病」と呼ばれていました。現在では抗菌剤の投与が有効で、適切に治療を行えば後遺症を残すことなく治癒しますが、抗菌剤がなかった昔は致死性が高く恐れられていました。そもそもペスト菌が原因で流行するということも解らなかったわけですから、多くの人が「ペスト」で命を落としました。

ところでローマ時代の医学・医療を語るとき外すことができない人物がガレノスです。(右はギリシアで発行されたガレノスが描かれた切手です。)
また「ヒポクラテスの誓い」は
古代ギリシア時代の医師、ヒポクラテスは「医学の父」、「医聖」などと呼ばれています。それは彼が人々の病気を迷信や呪術、また宗教のような扱いから切り離し、科学的な医学を最初に発展させた人だからです。(写真は兵庫医科大学の玄関ホールにある「ヒポクラテスの像」です。)
