医療あれこれ

先天性風疹症候群
2013年4月 2日

 風疹が大流行しています。国立感染症研究所は、本年の1月から327日までの風疹にかかった人の報告数が2418人で、昨年全体の報告数2,353をわずか3ヶ月で越えたと発表しました。

下の図は国立感染症研究所が公表している風疹の各年頭からの風疹発生数を示したグラフです。黄色で示してある昨年2012年の発生数は後半から急激に増加していましたが、赤色で示した本年の発生数はすでにこれを超えていることがわかります。

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 風疹は感染者の息などの飛沫に含まれる風疹ウイルスを吸い込んで感染します。23週間の潜伏期間のあと、発熱や皮膚の発疹、リンパ節腫脹などの症状が現れますが、ほとんどの場合、3日程度で治ることから、「三日はしか」と呼ばれています。ちなみに「はしか」は麻疹のことで、治るまでに2週間かかります。

 風疹の経過自体は大したことはないのですが、妊娠初期の女性が感染したときに、おなかの中の赤ちゃんに異常が生じる先天性風疹症候群が問題となります。先天性風疹症候群は、先天性心疾患、先天性難聴、先天性白内障が三大症状で、これ以外にも網膜症、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞などの症状が新生児に認められるものです。

 一度、風疹にかかった人は免疫ができているので、感染する可能性は低いのですが、かかったことのない人や小児には、ワクチン接種することで予防することができます。インフルエンザのワクチンのように毎年接種する必要はありません。妊娠の可能性がある若い女性は必ずワクチン接種することが必要です。当院でもワクチン接種を行っていますので、お申し出下さい。




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