医療あれこれ

老化物質としてのAGE
2013年11月 3日

 AGEとは、糖化反応最終産物:Advanced Glycation End products の頭文字をとってそのように呼ばれている物質です。この糖化反応は、例えば食品が古くなると茶色に変色してくるなどのことで、食品中に糖化反応が起こっているためタンパク質が変色してくるものです。この反応の中間産物として有名なものが、糖尿病の指標となるヘモグロビンA1cで、糖尿病の人は赤血球に含まれるヘモグロビンに糖化反応が高度に起こるためヘモグロビンA1cが増加してくるのです。この糖化反応の最終産物がAGEに当たるもので、多くの種類の物質があり、それらの総称がAGEです。

 糖尿病以外でも、年齢を重ねると、このAGEが増加してきます。年齢を英語で言うとage(エイジ)ですから、AGEと老化はちょうど語呂があっているので興味深いと思います。それはさておき、血液中のAGEが増加すると、その影響で皮膚のシワやシミが増えたり、動脈硬化が進行したり、アルツハイマー病などの神経疾患が増加したりするなど、まさしく老化物質であることが証明されています。

 これまでAGEは体内のタンパク質が少しづつ糖化反応を起こして蓄積されてくると考えられていました。しかし最近ではAGEを多く含んだ食品を食べ続けたりすることが、体内にAGEを貯め込むことになることが判ってきました。どのような食品がAGEを多く含むのかというと、茶色に変色して古くなったものはもちろんですが、肉製品や脂肪を多く含む食材を急激に高温で揚げたり、焼いたりするとAGEが多く生成されることが知られています。同じ食材でも急に焼くのではなく、ゆっくりゆでたり蒸したりした方がAGEの生成は少ないと思われます。

 また早食いをして、食後の血糖値を急に上昇させるとAGEは生成されやすくなりますから、できるだけゆっくり食べるなどの食生活習慣にすることも重要です。野菜や繊維質のものから食べ始める、丼物の単品より多くの食材が含まれる定食系がよいなどとも言われています。また食後、軽い運動を習慣づけて高血糖の予防をすることも重要です。

 あまり神経質になる必要はないでしょうが、ゆったりしたバランスのよい食事と、たまには焼くより蒸すなど調理法を変えてみてはいかがでしょうか。




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