医療あれこれ

血糖値が急に上昇すると危険 ~ GI値について

 食事をするとブドウ糖が血液中に吸収され血糖値が上昇します。ご存じの通り血糖値の上昇を抑制する作用をしているのがインスリンですが、急激な血糖値上昇に対しては、膵臓のβ細胞からのインスリン分泌が急速に増加して場合によっては低血糖の状態となってしまいます。低血糖では空腹感が強くなり、冷や汗や目のかすみ、などの症状が出現して、重症になると意識障害やけいれんなどの神経症状、さらに昏睡状態となります。脳細胞は糖分という栄養分の不足に対して大変弱いのです。

食後には血糖値が上昇するのは自然な体の変化ですが、その変化が急激におこると、今回のタイトル「血糖値が急に上昇すると危険」ということになるのです。食品の種類によって急激に血糖値が上昇するものと、ゆっくり上昇するものがあります。この差を示すめやすがグリセミック・インデックス(Glycemic IndexGI値)と呼ばれるものです。食材自体だけではなく調理法によっても異なってくるのです。おおざっぱにいうと、例えば炭水化物では、白米やパンはGI値が高く、茶色系の色をしているそばや玄米はGI値が低い食品で、うどんやパスタは中間となります。野菜でもニンジンやカボチャのGI値は高く、レタスなどの葉物やダイコン、キノコなどは低く、サツマイモは中間と分類されています。

 これらのGI値はどのように算出されているかというと、ブドウ糖を100g摂取したときの血糖値の上昇を100%としてそれぞれの食材摂取による血糖値上昇が何%のスピードを数字に表したものです。どんな食材においてもわずかであっても血糖値は上昇しますから、GI値の最低値は0ということになります。

 これらは食品のカロリーが高い低いではなく、あくまで吸収の速さによって異なってくるのです。そこで食事をコントロールしてダイエットしようとするとき、低カロリーばかりに気を取られないでできればGI値も考慮に入れてということになるのでしょう。かなり複雑になるので実際には、もし同じ位のカロリーがある食材を選ぶときにはGI値の低い方を選ぶなどの目安になるでしょう。また上記で挙げた食品でも例えばニンジンなどはGI値が高いですがカロリーは低いものですからダイエットでも気にする必要はないといえます。またGI値が少々高くても、急激に血糖値を上昇させなければよいわけですから、できるだけゆっくり食するという方法も考えられます。逆にどんなにGI値が低い食品でも大量に食べてはいけないことはいうまでもありませんが...