愛犬家は心臓病になりにくい

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愛犬家は心臓病になりにくい

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 ペット、特に犬を飼っている人は身体活動性が向上することにより心臓血管疾患になりにくい可能性があることは以前より指摘されていました。チェコでは限られた地域住民について心臓血管疾患になるかどうかについての15年にわたる追跡調査が2030年の終了予定をめざして進行中です。この度、これまでの調査結果について解析した成績が公表されました。

(Andrea Maugeri et al: Mayo Clinic Proc. Inn. Qual Out 2019; 3: 263-275)

 この研究では全体調査対象者のうちこれまでに心臓血管疾患にかかったことがない男女7,769人について、算出された心臓血管健康スコアと犬などのペットを飼っているかどうかの関連が検討されました。心臓血管健康スコアとしては、BMI、食事、身体活動度、喫煙、血圧、血糖値、および総コレステロール値についてそれぞれ最適、普通、不良の3段階に分け0点から2点で採点して合計点数を算出したものです。対象者のうちペットを飼っている人は44.3%で、内訳は犬を鑑定留人が24.3%、その他の動物を飼っている人は17.9%でした。

 その結果、スコアとの関連では、ペットを飼っている人は飼っていない人に比べて、身体活動度、食事、血糖値が最適である割合が高いという結果でしたが、ただ喫煙については飼っていない人に比べて飼っている人の方で喫煙率が高いという結果でした。特に犬を飼っている人のスコアの合計点数は犬またはその他のペットを全く飼っていない人に比べて有意に高いことが明らかとなりました。犬を飼っている人と犬以外のペットを飼っている人を比べると身体活動度と食事に関して最適である割合が高いという結果でした。

 今回は調査研究が進行中であり、最終的に心臓血管疾患が発症したかどうかは解析結果に含まれていません。しかし著者らは心臓血管疾患の危険要因を解析して、犬を飼っている人は飼っていない人に比べて身体活動度と食事内容が最適である割合が高く、心臓血管系の健康につながっていると述べています。また犬を飼うことにより、飼い主は犬の散歩などで定期的に外出して体を動かしたり、犬と遊ぶなど身体活動性は良好になるだろうと考えられます。このことは犬が他のペットに比べてより最適であると想定されます。さらに犬により癒やされることを考えると精神的な健康状態向上にも寄与していると考えられます。