医療あれこれ

医療の歴史(114)日本初のレントゲン装置

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 1895年、レントゲンにより発見されたXは、その後医療分野においても必要不可欠のものとなりました。レントゲンのX線発見からわずか11か月後の1896年、京都の島津製作所において日本初のX線発生実験が成功しました。その後、汎用X線装置が島津製作所により開発され、日本における医療用X線の中心的存在となったのです。右の写真は、京都にある島津製作所創業記念資料館に展示されているX線装置「ダイアナ号」です。これは1918年(大正7年)から昭和初期まで製造・販売されていたそうです。下の写真に、当時のダイアナ号を用いた胸部X線撮影風景が示されています。

XrayDiana218-09.jpg 島津製作所は、その後、X線関連機器のみならず、医療分野においても特に基礎医学には必要不可欠な多くの理化学機器を開発して医学の発展に貢献しています。 島津製作所の創業は、明治の初め、京都の仏具製造業だった初代島津源蔵によります。若くして亡くなった初代を継承した二代目島津源蔵がこれを受け継ぎ、事業が大いに発展したのでした。二代目は1930年、日本の十大発明家の一人と称されています。この流れは、2002年、田中耕一氏のノーベル化学賞受賞につながっているのです。

引用:島津製作所創業記念資料館案内(京都市中京区木屋町二条)