医療あれこれ

むずむず足症候群

TH_LIFD026.JPG 夕方や夜になると、足が火照る、足に虫がはっているような違和感を感じる、しかし足を動かすとこれらの症状が改善するといった症状はありませんか? このような方は「むずむず足症候群」、正式病名として、下肢静止不能症候群(レストレス・レッグス症候群)といわれる病態である可能性があります。

 「むずむず足症候群」の症状は、①足を動かしたいという異常感覚がおこる、②安静にしていたり、横になったりすると症状が増悪する、③足を動かすと症状がよくなる、④症状は夕方や夜になると増強する、などがあります。日本人では3~5%の発症率で、男性より女性の方がやや多く、年齢を重ねるにつれて増加してきます。

 原因には、ドーパミンというホルモンが作動する神経経路の障害や、鉄分の不足が関連するとされています。このため、同じくドーパミン不足によって発症するパーキンソン病や、鉄不足が原因の貧血患者さんにも同様の症状が見られることがありますが、これらの原因疾患がない人の場合の方が多いようです。

 夜間、足の症状で睡眠の障害がおこることから、昼間の眠気や、疲れた感覚があり、日常生活に支障がでることが大きな問題となります。そこで「むずむず足症候群」に対して、睡眠障害への対策と日常生活を改善することを大きな目的として治療が行われます。

 ドーパミン関連の新しいお薬があり、これの服用を開始してから1週間目でも症状が改善するという治療成績が発表されています。当院でもご相談をお受けしますので、もし気になる症状があるようでしたらお申し出ください。