日本人を対象とした大規模研究で、コーヒーをほとんど飲まない人に比べて1日3～4杯飲む人の死亡リスクが24%低下することが発表されました（Am J Clin Nutr. 2015 March 11; online）。

　実験の対象は、40～69歳の日本人9万914例(男 4万2千874例、女 4万8千78例)で、1990年から死亡または2011年12月まで平均18.7年間、追跡調査したものです。その解析結果では、コーヒー摂取と全死亡リスクとは逆相関、つまりコーヒーを飲むほど死亡リスクが低下するというものでした。詳しい内容は下の表のように、コーヒーを1日3～4杯飲む人は最大で24%死亡リスクが低下するというものです。死亡原因では脳血管疾患による死亡リスク低下が43%と最大で、一方ガンによる死亡リスクには影響がないというものでした。

　論文の著者らはこれらの原因として、コーヒーには糖の吸収を弱めたり血圧を低下させる作用があるクロロゲン酸や、血管機能を強くし気管支拡張作用があるカフェイン、血栓を抑制する作用があるピリジニウムなどが含まれていることが好影響をもたらしたのではないかと考察しています。

引用文献：Medical Tribune（2015年4月16日）p.13